おふろタイムズ

おふろタイムズとは

『おふろタイムズ』は、日々のおふろ時間を豊かにするウェブマガジンです。入浴の質を高め、芯まであたたまるための情報から、日本各地にある温泉や銭湯をめぐるストーリー、松田医薬品の入浴剤へのこだわりまで、さまざまな記事をお届けします。

ふらっと銭湯に行ったとき、替わり湯がすごくいい香りで、お湯の肌触りもとろりと温泉みたいだったらうれしくないですか……? 今回は、「贅沢すぎる替わり湯」と評判になった銭湯イベントのお話です。

40年以上にわたって、生薬の入浴剤を大切につくり続けてきた松田医薬品。2024年、自社商品をリニューアルし、新ブランド「おふろの芯体験」を立ち上げました。 「芯」の字には、「“真”の入浴剤であれ」「これまでになかった“新”しい入浴体験であれ」「身体が“芯”からあったまる商品であれ」という3つの意味が込められています。

入浴剤は、気分や用途によって選べる「あったまる」「しっとり」「さっぱり」「うっとり」の4カテゴリーに分けられ、全部で17種類。 どれも素材や香り、肌触りや色にもこだわり、おふろでの唯一無二の新しい体験を提供するものばかり。

入浴剤のパッケージ画像

そんな「おふろの芯体験」に触れてもらう機会として、2024年10月下旬から1カ月にわたって開催したイベント 「芯境地 in Tokyo」。 東京都内の4つの銭湯で、松田医薬品の入浴剤を替わり湯として提供しました。

イベントを開催した理由を、松田医薬品の取締役営業副本部長・松田憲明に聞くと、

取締役営業副本部長・松田憲明

『おふろの芯体験』の入浴剤は、品質の良さには自負があります。しかし、お客さんに使っていただかないことには、スタート地点にも立てません。 そこで、おふろ好きが集まる銭湯とコラボレーションして、多くの方に松田医薬品の入浴剤を体験していただき、各銭湯さんを通じてお客さんの“生の声”を聞けるようなイベントを開催しました。

スタンプラリー形式で行われたイベントは大盛況。対象銭湯すべてを回る条件にもかかわらず、開始わずか4日で景品のトレーナーとバスタオルがなくなるほどでした。 また、銭湯同士の横の繋がりが生まれるなど、イベントの裏側でもうれしい作用が起こっていました。

替わり湯提供日のプレゼント
替わり湯提供日に各銭湯を訪れた方を対象に限定ステッカーを、全ての銭湯を訪れた方には限定グッズをプレゼントしました。

この記事では、対象銭湯である新生湯の新井重和さんと、たからゆの町田博さん、松田医薬品の取締役営業副本部長の松田憲明と、製品事業部の大関涼雅の4人で、イベントの振り返りトークをします。

「おふろの芯体験」の入浴剤が各銭湯でもたらした極上の入浴体験と、協力してくれた銭湯の“苦労話"もお聞きしました。


(プロフィール)
新生湯 新井重和さん(写真右上)
新井さんがオーナーを務める、品川区・旗の台の新生湯は、全国初の「健康増進型銭湯」。 東京都の健康増進型公衆浴場の第一号になった。老若男女が楽しめるような充実した設備が特徴。
X:@shinseiyu

たからゆ 町田博さん(写真左上)
2023年にリニューアルオープンした、中野区・若宮のたからゆ。しっかり熱い温度設定のサウナ室と熱波師によるアウフグースで、サウナ愛好家の心も掴む。オーナーの町田さんは「町田理髪店」も切り盛りしており、大忙しの日々を送る。
X:@takarayu_nakano

松田医薬品 取締役営業副本部長 松田憲明(写真左下)
立教大学を卒業後、2014年にアルフレッサ(株)に入社。クリニックや調剤薬局への営業職を担当。2017年アルフレッサ ヘルスケア(株)経営企画部に転籍。2019年に家業である松田医薬品株式会社に入社。2022年5月より現職。

松田医薬品 製品事業部 大関涼雅(写真右下)
高知大学を卒業後、2018年にヤマト運輸(株)に入社。営業企画課として、高知→四国→中四国地域を担当。2023年8月に松田医薬品株式会社に入社。製品事業部として、日々、入浴剤を開発しては自分の体で試す人体実験の日々を送る。

商品のよさを知っているから、断る理由なんてなかった

松田医薬品が2024年にオープンしたブランド「おふろの芯体験」の入浴剤
松田医薬品が2024年にオープンしたブランド「おふろの芯体験」の入浴剤

新生湯、たからゆのおふたりは、最初に松田医薬品から「芯境地」の話を聞いたときどう思われましたか?

たからゆ・町田さん:たからゆはリニューアルして1年ほど経ったばかりなので、コラボイベントに混ぜてもらうことがまずはうれしくて。スタッフの子からも松田医薬品の入浴剤の生薬の香りや、 肌触りの良さについて聞いていたので、ぜひという気持ちでした。実際に反応も良いですしね。ついこないだの3連休もすごく評判が良くて、盛り上がってましたよ。

松田:ありがたいです。

新生湯・新井さん: 新生湯では、松田医薬品の「長寿元」という生薬の入浴剤を15年前ほどから使っておりまして、お客さんの評判が良いんですよ。 他のどんな生薬入浴剤にも引けを取らない“本物”だと感じています。 湯どんぶり栄湯でも、松田医薬品とのコラボイベント をやって大成功だったとお聞きしていましたし、今回お声かけいただいたときは「ぜひ参加させてください」と。

松田医薬品は、どの商品においてもきちっとした研究をして、会社全体でいろいろなケーススタディを踏まえてつくっていることを感じていました。だから断る理由なんてなかったですよ。


お客さんが“贅沢”に⁉ イベントがもたらした副産物

配布したバスタオルは、わずか4日で配布終了となった
配布したバスタオルは、わずか4日で配布終了となった

「芯境地」を終えてみて、お客さんの反応はいかがでしたか?

たからゆ・町田さん:反応が良いから、今も自主的に続けてるんですよ。でも、松田医薬品の入浴剤を3日連続で入れた後にいらっしゃった常連さんに「今日は何もないのね」と言われちゃったこともあって(笑)。

新生湯・新井さん: 本音を言わせていただくと、お客さんがかなり贅沢になってますよね。 ただ、松田医薬品の入浴剤入りのおふろに慣れてきたお客さんも、「雲海と森」を炭酸泉の中にドーンと入れたときは「さすがに贅沢すぎる!」と言っていましたけどね(笑)。

ヒノキとヒバ、ローズマリーが香り立つとろみの湯が楽しめる「雲海と森」
ヒノキとヒバ、ローズマリーが香り立つとろみの湯が楽しめる「雲海と森」

2つ以上の入浴剤を混ぜて入れることもありますよ。こないだは、「マツダ浴精」「生薬の巡り湯」などをブレンドしてみたんです。 その日の天候や湿度を考慮して、お客さんがお湯に浸かったときの肌触りを想像しながら替わり湯をつくりました。

たからゆ・町田さん: 僕は個人的には「雲海と森」が好きなんですよ。でも、お客さんからの人気が高いのは「とろりと椿」ですね。 「御泡美の湯」とのブレンドはとくに好評だった気がします。

新生湯・新井さん: シルキー系の入浴剤に「とろりと椿」を入れちゃうなんて、贅沢すぎてうらやましい。僕も入りに行きたい!

たからゆ・町田さん: ぜひぜひ! うちはロビーで入浴剤の販売もしているのですが、一番売れているのが「とろりと椿」なんです。

たからゆでは手書きのPOPを用意し、店頭で松田医薬品の入浴剤を販売している
たからゆでは手書きのPOPを用意し、店頭で松田医薬品の入浴剤を販売している

銭湯さんそれぞれのやり方があっておもしろいですね。銭湯同士の交流って、普段からあるものなんですか?

たからゆ・町田さん:あるとしても、地域の組合同士の交流ですかね。

新生湯・新井さん: 地域の組合は、私が生まれた頃は一つの地域の組合に100軒ぐらいありましたが、今ではどこの組合も20軒ほどになっちゃいましたね。東京都全体でも30〜40年前は約2000軒の銭湯がありましたが、 今は400軒になりました。横のつながり自体はあるのですが、 昔に比べたら減っていると思いますよ。

たからゆ・町田さん: なかなか他の店舗さんと話す機会もないので、僕は、今回のイベントに参加された銭湯さんにはご挨拶に行かせてもらいました。

新生湯・新井さん: その節は、お越しいただいてありがとうございました。イベントがきっかけで、他の銭湯さんとの交流が生まれることはあるでしょうね。

実際に替わり湯を考えるときに「たからゆさんがこれを入れているなら、うちはこれにしよう」という風に、他の銭湯さんのことを意識する機会が増えました。今はSNSがすっかり普及して、他の銭湯さんの取り組みも知れますし、お客さんの中には東京じゅうの銭湯を巡る方もいらっしゃいます。

そうした意味でも、銭湯同士の新たなつながりは広がっていく可能性はありますよね。

銭湯の見えない努力。すべてはお客さんに楽しんでもらうために

銭湯に通い、コミュニケーションを重ねながら今回のイベントを運営した松田医薬品の大関涼雅
対象銭湯に通い、コミュニケーションを重ねながら今回のイベントを運営した松田医薬品の大関涼雅

イベントを実施してみて、とくに印象的だった出来事はありますか?

たからゆ・町田さん: これは銭湯の中の人の事情なのですが、「とろりと椿」のようなシルキー系の入浴剤を銭湯の浴槽に入れると、実はろ過機の掃除に時間がかかるんですよ。お客さんには喜ばれるのですが、毎日はできない。そんなちょっとした苦労はありましたね。

新生湯・新井さん: 「とろりと椿」を入れた日は、ろ過機の中身がかなり汚れていましたね。 というのも、入浴剤でお湯が汚れるのではなくて、椿の成分をお肌にしみ込ませようとして浴槽の中で体をなでる人が多いんです。 そうすると、椿油と人体の油が混じってろ過機が詰まる原因になる。でも、見方を変えればお客さんが楽しんでくださっている証なので、 これは非常にいいことでもあるんですよね。

松田: なるほど、勉強になります。

実際にイベントを開催してみて、松田医薬品のお二人はどのように感じましたか?

松田: イベントにお越しくださったお客さんの反応をフィードバックいただいたことがありがたかったですね。不動の人気入浴剤は「とろりと椿」と、生薬系の入浴剤だとわかり、今後展開をしていく際にどういう売り方をしていくかのヒントもいただけたと思っています。

新生湯・新井さん: 松田医薬品の入浴剤は15年以上前から使っていますが、他にはない新鮮さと、どの年代の方にも好まれる普遍性の両方感じています。まずは大阪・京都を中心とした関西エリアの銭湯に導入してもらって、のちのちは全国展開して欲しいな。僕がおすすめして回りたいくらいですよ。

松田:ありがとうございます。

大関: 恥ずかしながら、入浴剤を使うとバックヤードの掃除が大変になることを初めて知りました。イベントにご参加いただくなかで、こんなにも影の努力をしていただいていたのかとわかり、改めて、みなさんへの感謝の気持ちでいっぱいです。松田医薬品の入浴剤を使ってくださっている銭湯さんのことをもっと知りたいと思いました。もしよければ、今度、掃除をお手伝いさせてください。

松田:それはぜひやりたいですね。

たからゆ・町田さん: 場所が変われば機械も違いますし、僕も他の銭湯の掃除をしてみたいですね。そのときは僕もご一緒させてください。

新生湯・新井さん: 新生湯にもぜひいらしてください。日当をお支払いしますよ(笑)。

各所で大人気だった『とろりと椿』の替わり湯。より深く入浴剤のことを知ってもらえるよう、入浴剤の説明も掲示した
各所で大人気だった『とろりと椿』の替わり湯。より深く入浴剤のことを知ってもらえるよう、入浴剤の説明も掲示した

「芯境地」を終えて、今後どのような展開をしていきたいと考えていますか?

新生湯・新井さん: 「芯境地」というネーミングが素晴らしいですから、これをさらにブラッシュアップしてブランド化していくのはいかがですか?

松田: ありがとうございます。今度は「芯境地2025夏」を開催して、爽快感のある入浴剤を推すのも良さそうだなと思いました。

新生湯・新井さん: 実は、銭湯って夏のほうがお客さんが入るんですよ。新生湯の場合は、日曜日のオープニング、夕方、夜と1日3回汗を流しに来る方もいらっしゃるくらいです。

松田: だとしたら尚更、イベントの開催しがいがありますね。

新生湯・新井さん: 夏に実施するなら、水風呂に入浴剤を入れるのはどうですか?

たからゆ・町田さん: 確かに!水風呂シリーズの入浴剤があるといいですね。

新生湯・新井さん: サウナブームのおかげで、銭湯では水風呂も非常に大切なコンテンツの一つになっていて、 施設によっては水風呂を2~3種類用意しているところもあります。水風呂と入浴剤をかけ合わせると、広がりがあって楽しいんじゃないかと思います。

松田: 貴重なご意見、ありがたいです。「芯境地」の夏開催や、水風呂専用の入浴剤の開発を目指していきたいと思います。ぜひまたご相談させてください。

たからゆ・町田さん: お客さんが喜んでくださると、私たちも楽しいんですよね。楽しみながらご協力しますよ!

およそ1時間ほどの座談会では、おふろにまつわるアイデアがたくさん飛び出しました。銭湯の経営と、入浴剤の製造。業種は違いますが、両者に共通しているのは、入浴時間をよりよいものにして、おふろに入る人を笑顔にさせたいという思い。

そんな思いを胸に、松田医薬品はこれからも入浴剤をつくり、銭湯とのコラボレーションを続けていきたいと思っています。今後開催するイベントについては、松田医薬品の公式SNSで随時発信していきます。ぜひ、気になるイベントに足を運んでみてください。

松田医薬品SNS
X:@Matsudaiyakuhin
Instagram:@matsudaiyaku



2025年2月1日(土)〜2月28日(金)まで、東京都江東区の深川温泉 常盤湯でコラボイベントを実施中。

松田医薬品のブランド「おふろの芯体験」の入浴剤が、毎日日替わりで楽しめます。また、店頭で松田医薬品の商品を購入いただくと、限定ステッカーをプレゼント。ぜひ足を運んでみてください。

深川温泉 常盤湯  X:@FUKAGAWAONSEN

構成:佐々木ののか
編集:荒田もも、友光だんご(Huuuu)

カテゴリから探す

おふろは体だけでなく、心まであっためることで世の中を元気にしてくれます。